1000円で、鬱は治るか。

鬱だと言ったら、妻が1000円くれた。

ここ1年ほど、平日の昼食は弁当だった。

息子のために弁当を作るので、自分用にもう1個作るのは簡単だ。

しかし最近は息子が夏休みなので弁当を作る理由がない。

自分だけのために弁当を作る気力は、当然ない。

そんな私のために、妻が1000円くれた。

これでお昼食べておいで、とのこと。

今の経済事情からして、毎日1000円のランチはあり得ないが、とりあえず受け取った。

そして昼休み。

暑いのを我慢して10分近く歩き、古い喫茶店に入った。

「馴染みの」と書きたいところだが、数年間ご無沙汰であった。

しかし気持ちは「馴染み」である。

10年前、婚姻届をこの喫茶店で書いた。そのくらいの付き合いである。

サンドイッチとコーヒーを頼み、窓の外に目をやる。

入口の狭い窓から見える外界は、明るいを通り越して白い。

対照的に店内は薄暗い。

カウンターから流れてくる煙草の煙。

胎内はこんな居心地だっただろうか。

んなわけない。

瞑想に近い状態で、濃いコーヒーを飲み干した。

今日も妻が1000円くれた。

しかし行くべき店が見当たらない。

数分後、Googleに「二郎インスパイア」と入力している自分がいた。

とりあえず、食べる意欲があるうちは死なないと思う。